音源

Songs

太鼓を入れない田植え歌

たいこをいれないたうえうた

歌詞

Lyrics

歌は三節どこでも変わる
つけて流され字はひとつ

こうてうれしや別れのつらや
こうて別れがわけがなけにゃよえ

太鼓を入れない田植歌

○ 唄いなされよーォ 唄いヨーなされー
唄でご器量が下りゃーせーぬー
○ 唄いヨーなされ一
唄でご器量が下りゃーせーぬー
○気量がさがらぬた云うたが
唄でご気量が二分さがる
腰の痛さよこの田の⻑さ
主のお顔を見りゃなおる
○ 米のなる木を五月に植えて
八月なかばに米になる
○ 切れた草履と馬鹿にはしやんな
元はお米の親様よ
○ 今年豊年穂に穂が咲いて
道の小草に米がなる
○ 暑や焦げるや手拭欲しや
殿の浴衣の袖なりと
○ 歌は三節ところで変る
つけてながされ字は一つ
○ 下へ下へと枯木を流す
下で枯木にゃ花が咲く

田植歌には、太鼓を入れて歌うものと、太鼓をともなわないものとがある。ワサ(早)植は 6月 5 日頃からはじまるが、山田など共同田植にむかない田は「ショボショボ植」または「山田植」といって太鼓なしで植えた。このような時に歌われたのが次の田植歌である。このほか針金節や、生木地区では調子の違った田植歌も歌われた。
「哲⻄の⺠謡 vol.1」より

基本情報

Metadata

伝承地哲西
年代1965ごろ
録音者名越軍治
詞型7775

解説

Commentary

田植歌には、太鼓を入れて歌うものと、太鼓をともなわないものとがある。ワサ(早)植は6月5日頃からはじまるが、山田など共同田植にむかない田は「ショボショボ植」または「山田植」といって太鼓なしで植えた。このような時に歌われたのが次の田植歌である。このほか針金節や、生木地区では調子の違った田植歌も歌われた。
「哲⻄の⺠謡1」より

昔は田植えが近づくとどの家もタウエゴを用意したもので、とくに娘や新嫁は紺絣の着物や赤いおこし(腰巻き)を新調した。また帯の一部にも美しい布などをつけて飾り、赤だすき・手拭い・きゃはん脚絆にいたるまで気を配った。こうして盛装した早乙女たちは、サゲ(左肩から下へ帯で太鼓をつり支え、太鼓を打ちながら音頭をとる男)の打つ太鼓に合わせて唄を歌いながら苗を植えたもので、これを大田植えとか太鼓田などと呼んでいる。

ところで奥備中の⻄北部地方(とくに荒戶山麓周辺)では田植えを始める前にサンバイオロシのみすま行事を行う。サンバイオロシというのは三角形に近い小さな田んぼ(三角のクボ)を選び、かきがすむと栗の枝とカヤの穂をそれぞれ十二本(閏年十三本)合わせ束ねて竹か木にしばりつけ、これを田んぼの一角に立てて森をつくる。そして森の横には苗三把をおき、飯や神酒などを膳にのせて供えたあと、早乙女はこの苗を取って十二株(閏年は十三株)植える。

田植え唄は普通、太鼓を入れるのと入れないのとがあって、例えば山田のような狭い田んぼでは太鼓を入れなかったという。しかしいずれにしても田植え唄は、田植え作業の変化に伴ってしだいにすたれ、サンバイオロシの行事とともに昭和三十年ごろから姿を消してしまった。
「奥備中の⺠謡」

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