事業内容

Project Overview

岡山県新見市の⺠謡音源を中心に、250点以上もの歌(一部インタビュー)音源をデジタライズ・編集し、アーカイブを作成。アーカイブサイトにて音源を一般公開し、土着の⺠謡を誰でも気軽に試聴でき楽しめる空間の提供を目的とする。

アーカイブ対象の音源は⺠謡以外にも多岐に渡り、童歌をはじめ、新見市に合併される以前に旧町村で歌われていた町歌、村歌や、廃校になった高校の校歌、かつてのご当地ソングであった創作音頭、芸備線開通時に流行った郷土唄なども収めた。

新見以外の音源については、新見の盆踊り地域比較マップを作成し、その比較対象を新見市の(⻄・北⻄・北東に)境を隔てた(広島・島根・鳥取)3県の盆踊りに拡大し、収集した。また新見市の東に境を供する岡山県真庭市、南に接する高梁市の盆踊りもその重要な対象とした。又、新見市と盆踊りの口説き文句を共有する遠方の興味深い例として、山口県萩市の見島の歌本を引用した。その縁もあり、同じ山口県の⻑門市通(かよい)の鯨歌も許可を得て、ここに収めた。(それは「船の行き来と職人・芸人の移動が謡を広めたとする定説」の一筋を紹介する目的で。)

アーカイブでは音源に限らず、残念ながら音源・歌い手が見つからなかった労作歌の歌詞なども取り上げた。特に、かつて鉄産業が盛んであった新見市の痕跡として大変重要な「番子歌」、今は閉山したクローム鉱山で歌われた「坑夫歌」などの歌詞を収めた。

2025年現在、アーカイブスを少しづつ更新し、市の音楽記憶の受け皿として、その総数を増やしている。

アーカイブ作成の経緯

How the Archives Began

2023年着任の岡山県新見市の地域おこし協力隊、造酒耕平が同市にまつわる⺠謡のデジタルアーカイブ化を活動の目的としたことに始まる。その意図として、伝統文化の保存と継承、その方法として一覧化と一般への公開を目指した。

2023年4月より活動を開始。間もなく、新見市哲⻄の哲⻄町文化財保護委員をされていた故名越軍治氏のご遺族様より、氏が1953年から録音したオープンリール6点とカセットテープ7点をアーカイブ対象としてお預かりした。その後、97年に哲⻄町教育委員会より発表された⺠謡調査「哲⻄の⺠謡哲⻄町文化財シリーズ No.2追録」で使用された録音音源18点も、哲⻄支局よりお預かりし、デジタライズした。その調査音源のほとんどが名越軍治氏によるもので、彼の録音と分かるものだけで64曲以上あった。(同名曲含む)

その後、新見市でかつて行われた⺠謡調査の文献を元に音源を収集。また市で活動中の⺠謡保存団体より音源をお預かりした。その他、⺠謡を歌われていた歌手の遺族様や公⺠館、旧村歌の記憶を持たれる住⺠の方々よりお問い合わせを頂き、それぞれアーカイブさせていただいた。

なお、新見市には(音源化されていないが)まだ住⺠がかろうじて憶え繋いでおられる⺠謡も確認でき、それらに関しては現地収録を予定している。(2025年)現在も、新見⺠謡アーカイブスでは新見にまつわる音の記憶媒体として、この土地の暮らしに根差した歌を幅広く募集している。

Not Found 楽曲が再生されるのを待っています #新見 #盆踊り
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