音源

Songs

苗取歌男声

なえとりうた・だんせい

苗取歌女声

なえとりうた・じょせい

苗取歌女声

なえとりうた・じょせい

歌詞

Lyrics

(だし)苗はナーよう取るヨー
(つけ)ソーレ
(だし)木のぼりヨー 苗をヨー
(つけ)千把ナー 百取るヨー ヤンサ
まだも取るヨー
(だし)木のぼリォー 苗をヨー
(つけ)千把ナー 百取るヨー ヤンサ
まだも取るヨー
○苗はよう取る木のぼり笛を
千把百取るまだも取る

○千把百どもよう取るうちか
二千百取るまだもとる
○歌をうたえば楽そに見ようが
楽にゃござらぬ苦のあまり
○歌の上手が一人よりも
下手な連れ節面白い
○歌を出したがつけても呉れぬ
心袖ない友達よ
○心袖のうてつけぬじゃないが
腹にゃ三月の子がござる
(声が幼のてつけられぬ)
○声が幼なけりゃ幼な声出しゃれ
誰も一度は幼な声
○三月四月は袖でもかくす
もはや七月あらわれる
○主がござれば前から知れる
裏の小池の鴨が立つ
○鴨の立つ時は必ずおいで
鴨は契りの深い鳥
○花はいろいろ五色に咲けど
主にたとえる花がない
○下へ下へと枯木を流す
下で枯木に花が咲く

「哲⻄の⺠謡」より

基本情報

Metadata

伝承地哲西
伝承者1)岡崎喜代一 3)藤村信子、野崎松代、奥津隆子
年代1960年代ごろ
録音者名越軍治
詞型7775

解説

Commentary

籾をまいてから49日目の苗は取るものではないといって、48日目に取っていたが、いまは、30日から40日目のしりの軽い若苗を取るので、ドンビ苗(ドビン苗ともいう)はなくなった。ドンビ苗というのは、根が⻑くて泥がたくさんついている苗のことで、嫁が正月に親の家に泊りに行って早く帰らぬことを、ドンビになるといった。苗代に藁肥を入れるとドンビ苗ができるので柴肥を入れていたが、いまは柴草も刈らなくなった。手に豆を出しながら苦しまぎれに苗取り歌を唄ったという。
「哲⻄の⺠謡1」より

苗取り唄は苗代から苗を取るときに、腰や指先の痛みをまぎらわすのに歌ったものである。苗はモミをまいてから四十九日目のナワビには取らない。阿哲郡神郷町(旧新郷村)や新見市千屋花見などでは、この日に取った苗は棺の詰めになるという。

苗取りは腰をおとし、前かがみに両手で取り、これを一つにしてナワデ(藁)で束ねる。苗取りのコツは小指とくすり指と中指に力を入れ、苗を折らないようによく泥をおとして根元をそろえる。根元のそろっていない苗束を「木のぼり苗」といい、木のぼり苗は植えるのに手間がかかり、田植えの早さに影響した。苗を取ったあとの苗代はウシンガ(牛鍬)や鍬で掘り起こして田植えをするが、この田にはモチ苗を植えない。植えると四十九陰餅になるという。
「奥備中の⺠謡」より

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