音源

Songs

祝言歌ー長持歌

しゅうげんうたーながもちうた

祝言歌歌・インタビュー

しゅうげんか うた・いんたびゅー

歌詞

Lyrics

①嫁婿の出立の際一般の者が歌うもの。
○松がナ栄えて お庭が暗い おろして上げます 一の枝ナエ
○わたしゃナ行きます 両親様よ ⻑のナお世話になりましたナエ
○後をナ案ぜず さっさと行きゃれ 向うにゃナやさしい 親が待つナエ

②道中で歌うもの
○ここはナ大坂(だいさか)さびしゅうちゃ 買(こ)うていの言う 人こいや 頼むぞい ホトトギスのエ
○ここをナ廻れば下野部(=先方の地名、どこでも可)が見える あれがナ嫁子(殿子)の屋形(やかた)やらナエ

③先方の組合に着いた時その組合の人が歌うもの。

④先方へ着いた時こちらの人足が歌うもの
○鶴がナ舞います 御家の上に 御家ナ繁盛と 歌いますナエ

⑤荷物を渡す時歌う。
○簞笥(たんす)をナ⻑持 つづらや籠や 一切荷物を 渡しますナエ

⑥荷物を受取る時歌う。
○簞笥をナ⻑持ちゃエ 百二十や棹エ どうかナエ 手綱もエ 絶(た)たぬようエ
⻄のナ蔵にと お納めまして 恵比寿ナ大黑に 預けますナエ

⑦嫁・婿と荷物を渡し終った時歌う。
○千秋ナ万歳楽 思う事は叶うた 末はナ鶴⻲ 五葉の松エ 

「哲⻄の⺠謡」より参照

基本情報

Metadata

伝承地哲西
伝承者やよい会
年代1960年代ごろ
録音者名越軍治
詞型7775

解説

Commentary

祝言歌は⻑持歌ともいう。嫁取り、婿取りのとき歌う歌である。

「畦道が曲がり、嫁取歌まがり」塚本章夢

曲った畦道を嫁取りの列が進んでいる。それは暗い夜道であるが、ぽつぽつと続く提燈の列が動いている。嫁取りの道中歌がきこえてくる。このようなまことに素朴な情景がよく見られた。

馬の背にゆられて来た花嫁が、受取る婿方からの歌が出ないような場合には、歌が出るまで馬から降りることができなかったという。このような風習は現在はほとんど失われ、祝言の座などで余興としてうたわれているだけである。
「哲⻄の⺠謡1」より


この唄は「祝言道中唄」とも「祝言唄」ともいわれ、嫁が生家を出るときから山坂を越えて行く道中、先方の家に着いて婚礼の式が始まるまで、決まった歌詞の順序で歌い、しかもそのときどきの条件によっては即興で、臨機応変に歌詞を替えて歌わねばならないなど、なかなか難しいものとされている。

また嫁方の唄と婿方の唄が掛け合いで歌われ、双方にそれぞれの歌い手がいて美声を競い合った。

いずれにしてもこの唄は、優美と哀調を帯びており、その場の情景にふさわしく、嫁が生家で別れの宴を終え、いよいよその座を立って縁側から下り、仲人や付き添い人、その他の人足たちが、出立ちのわらじ酒を飲み終わったころから始まる。
「奥備中の⺠謡」より

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