
音源
Songs
田植え歌針金節
たうえうた はりがねぶし
歌詞
Lyrics
針⾦節
○(だし)何の因果に針⾦習うた
(つけ)花のさかりを笹⼩屋でー
(だし)針⾦習うた
(つけ)花のさかりを笹⼩屋でー
○(だし)お杉お⽟※が百姓の⼦なら
(つけ)嫁に取たや花嫁に
(だし)百姓の⼦なら
(つけ)嫁に取たや花嫁に
○(だし)娘⼗七声張り上げて
(つけ)歌い負けなよ うぐいすにー
(だし)声張り上げて
(つけ)歌い負けなよ うぐいすにー
○(だし)あなたおもえば 照る陽ひが曇る
(つけ)咲いた⽉夜が闇となる
(だし)照る陽が曇る
(つけ)咲いた⽉夜が闇となる
○(だし)今宵⼀夜はお泊まりなされ
(つけ)⻄の曇りが⾬となる
(だし)お泊まりなされ
(つけ)⻄の曇りが⾬となる
○(だし)娘抱きしめよいかと聞けば
(つけ)私⼿習いいろはじめー
(だし)よいかと聞けば
(つけ)私⼿習いいろはじめー
「哲⻄の⺠謡」より参照
※おすぎ-おたま【お杉お⽟】
〘名〙 江⼾時代、伊勢神宮の外宮(げくう)と内宮(ないくう)のあいだの間(あい)の⼭に⼩屋掛けして、三味線、胡⼸ (こきゅう)に合わせ、俗謡を歌い踊り、客の投げる銭を巧みによけて、参詣⼈から銭を乞うた⼥芸⼈。寛⽂・延宝 (⼀六六⼀-⼋⼀)頃から始まると伝える。おすぎ。おたま。
※浮世草⼦・好⾊旅⽇記(1687)四「ゑんま堂過てあいの⼭、お杉お⽟が庵、前にくれなゐの網を張り」
出典 精選版 ⽇本国語⼤辞典精選版より
基本情報
Metadata
伝承地 | 哲西 |
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伝承者 | やよい会 |
年代 | 1960年代ごろ |
録音者 | 名越軍治 |
詞型 | 7775775 |
解説
Commentary
⽥植歌には、太⿎を⼊れて歌うものと、太⿎をともなわないものとがある。ワサ(早)植は6⽉5頃からはじまるが、⼭⽥など共同⽥植にむかない⽥は「ショボショボ植」または「⼭⽥植」といって太⿎なしで植えた。このような時に歌われたのが次の⽥植歌である。このほか針⾦節や、⽣⽊地区では調⼦の違った⽥植歌も歌われた。
「哲⻄の⺠謡1」より