音源
Songs
唐臼挽唄
とうすひきうた
歌詞
Lyrics
臼の軽さよ 相手の良さよ
相手変わるな 明日の夜も
臼をひけひけ 団子して食わしょ
臼をひかねば また粥じゃ
臼も車も ひきゃこそ回る
ひかで回るが水車
今宵一夜はお泊まりなされ
⻄が曇れば 雨となる
⻄の曇りが 雨ではないが
石やあなたが 泊めたさに
恋し小(こ)川の 鵜(う)の鳥ゅ見やれ
鮎(あい)をくわえて瀬をのぼる
鮎は瀬に棲む 鳥は木の枝に
人は情の下に住む
「奥備中の民謡」より
基本情報
Metadata
| 伝承地 | 哲多 |
|---|---|
| 伝承者 | 奥津武志、地元有志 |
| 年代 | 1982年より以前 |
| 詞型 | 777575 |
解説
Commentary
唄:奥津武志さん
1903年新見の哲多新砥生まれ。幼少から牛とともに育ち、農家を続ける。
尺八も所有されていた。歌うことが好きで、そのソウルフルな歌声は⺠謡関係者をはじめ、沢山の人に評価された。特に新見の田植え唄でよく知られている。歌は先代や地元の歌い手を手本に独学で身につけられたのでは、とお孫さんは語る。
彼の歌声は「日本⺠謡大観中国篇付属CD4」や「伝承者が唄うおかやまの唄第2集LP」に収められている。
唐臼(とおす)は直径50cm、上臼、下臼の高さはそれぞれ30cm、臼のふちは竹籠に粘土を入れ、⻭はマキの木、心棒はカシの木で作った重い臼である。のち、改良されてマキの木の⻭は堅いゴム製に、ふちはトタン板、心棒は鉄などにかわり、上臼を軽くする様に工夫された。
この臼は籾から米を摺り出す道具で、どの家にもあったが昭和2年頃動力による籾摺機が入ってきたため、だんだん使われなくなり、昭和15年頃からはほとんど使わず、大きくてじゃまになるので、たいていこわされた。臼に取付けた(腕木)に、「カセ」の先をかけ、天井から綱で吊した握り棒(横木)につかまって挽く単調な仕事である。秋も更けた寒い夜、粉を挽く音に合せて歌う唐臼挽の歌は、毎晩12時過まで続いた。こうして1日に8俵ぐらいが挽かれた。
「哲⻄の⺠謡1」より
夜⻨搗きは、収穫後の⻨の穂を叩きつけて実を落とす⻨打ちをし、実の殻についた芒のぎ(針状の毛)を取ったあと、外皮を臼で搗いて剥ぐ作業である。この作業は夏の間、昼間の仕事を終えた夜に行われるものだった。⻨搗きは基本的には女性、特に未婚の女性や若いお嫁さんの仕事なのだが、大⻨は外皮が硬いので男たちも加勢して作業することから、夜⻨搗きは若い男女の出会いの場であった。
「⺠謡とは何か?」より