音源
Songs
観音踊り・扇踊り「恋の阿里佐」
かんのんおどり・おうぎおどり「こいのありさ」
歌詞
Lyrics
春のそよ風井倉の峡に
そよりそよ吹きゃ可れんな花が
咲いていとしやいとしや阿里佐
大和れんぎょは悲恋の花よ
夏は⻘葉に秋あやにしき
人に知られた井倉の里に
ひなにまれなる乙女子阿里佐
年は十七引く手あまた
あまた引く手も楽しく茂作
いつか阿里佐の心を射止め
人目忍んで咲く恋の花
末は夫婦と楽しい日ごと
恋の花にも無惨や嵐
数里はなれた松山城に
蝶よ花よと育って二八
つぼりそめたる鶴姫さまが
紅葉狩りとて井倉の峡に
ちらと見初めて茂作の心
所せん高嶺の花とは知れど
消すに消されぬ凡夫の心
ある日茂作の姿が消える
阿里佐悲しや片羽の鳥は
待てど暮らせど帰らぬ人を
こがる思いに身はやつれゆき
月は三日月瀬音はむせび
山のカラスが不吉に鳴いて ふち
恋の屍渕えと消える
だれがつけたか阿里佐の渕に
春が巡れば⻩色く小さく
大和れんぎょは阿里佐の花よ
基本情報
Metadata
| 伝承地 | 新見長屋地蔵寺 |
|---|---|
| 伝承者 | 高瀬達夫 |
| 詞型 | 7575 |
解説
Commentary
曲節は、最初速度の遅い⻑唄風の音頭であったらしいが、現在は早くなり、すっかり盆踊口説になってきた。踊りも初めは町人には踊らせなかったはずなのに、江戶時代すでに曲節が備中全域そして、鳥取県日野郡をはじめ備前の一部まで広く盆踊りの音頭として使用されていた。そのため、岡山市大島の傘踊り、鴨方帰依仏踊り、総社市新本の義⺠踊りの曲節が類似している。この踊りは、初め待が酒席で踊っているのをひそかに習い覚えて夜更けて待や見物の衆が姿を消した頃、ひそかに踊って楽しんだところから、明治以来現在になってもおひらきの前に踊ることになっている。この踊りの歌詞は、本来御前踊りであるため、百姓町人にとっては難しかったので使用されず、ただ一つ「那須の興市弓矢の誉」という歌詞のみ「弓引」という踊りがあった。本来、松山御前踊りであるため、はじめは元の位置を動かないで右方向(反時計廻り」に少しずつ移動する踊りであったと思われるが、現在は踊る場所等に制限があり、狭い場所で多くの人が踊るため、ルールをきめて、時計廻りに左足より横に移動する型にかわってきた。また、扇子の使い方も男性的所作から女性化してひらひらさせるようになってきている。現在は、新見市の一部(⻑屋の「観音踊り」など)に片鱗を保存する状態であるが、最近原型に復原する努力がなされている。
「新見の盆踊り⻘の会発行」より